



【生薬名】
白朮(ビャクジュツ)
【基 原】
キク科 Compositae 白朮 Atractylodes macrocephala Koidz. (A. ovata A.P.DC.)(オオバナオケラ)の根茎を乾燥したもの。冬期に採集したものを冬朮といい、性質はやや甘く柔潤である。ただし現在では一般に冬朮・夏朮を区別しない。
【性 味】
味は甘・微苦、性は温。微香がある。(帰経:脾・胃経)
【主成分】
atractylol C15H24O を主とする精油 ・ atractylone C15H20O ・ビタミンAなど。
【薬理作用】
補裨益気・燥湿利水
健胃作用・利尿作用・鎮静作用
【効能・効果 】
(健胃・強壮・止瀉・利尿)
◎脾をすこやかにし、湿を乾かす。
<1>脾虚泄瀉
<2>水腫
<3>脹満
◎汗を止め、盗汗を治す。「切ってかため、浮麦1升、水1斗で煮詰めて乾かした麦は捨て、細末にして毎回2銭を浮麦に煮た湯で服用。」
◎補脾剤。「一晩水に漬けて切って乾かし煎服。又は粉末にし服用。」
◎補胃:「煎じ・丸・末服ともによい。」
◎一切の下痢を治す。「煎・末・丸服。白芍薬・白茯苓と合わせ煎服。」
◎一切の風と中風の口噤不省を治す。「白朮4両・酒3升を煮詰めて服用。」
◎五労・七傷を治す。脾胃を壮健にし、寿命を延ばす。「作末して酒に混ぜて食べ、又は蜜丸。」
◎四肢の腫満を治す。「3両を切って大棗3を入れ1日3〜4回煎服。」
【臨床応用】
主として補脾に用いる。
下痢・泥状便・食欲がない・上腹部が脹って苦しい・舌質が淡白・舌苔が白い・脈は沈などの脾虚の症状があるときに用いる。多くは胃腸の機能が悪く、腸管からの吸収能力が減退したために生じる。慢性消化不良症・慢性非特異性結腸炎によく見られる。
肢体の浮腫で、顔色が青い・食欲不振・泥状便・水様便・元気がない・四肢が冷たい・脈沈など脾陽虚の症状をともなうとき(腎性浮腫・低タンパク性浮腫・妊娠浮腫など)に用いる。
脾虚による自汗に用いる。とくに病後の小児で、食欲がない・身体衰弱・自汗などの症状があるときには、白朮を必ず使用する。
風湿による関節痛(慢性関節リウマチ)などに用いる。効能は基本的に蒼朮と同じで、健脾去湿と鎮静止痛の効能を利用する。
流産防止に用いる。
【用 量】
3〜12g
【使用上の注意】白朮は温・燥の性質があるので、高熱・陰虚火旺・脱水(津液不足)・口や舌の乾燥・煩渇・尿が濃い・湿熱の下痢(赤痢・急性細菌性腸炎など)・肺熱による咳嗽などには使用すべきでない。
蒼朮との比較:蒼朮は、性味が辛烈で・燥散の性質が強く、補益力が弱い。白朮は、微辛でやや苦味があり・発散よりも補益力の方が強いので、健脾に適している。



