中国プーアル茶価格が急騰、裏にマネーゲーム

プーアルの国内市場価格が急落している。中国茶葉流通協会の最新統計データによると、プーアル茶販売価格が今年6月で最高50%下落した。昨年末からの十倍、百倍の急騰と鮮やかなコントラストをつけるものである。これを受け、国内プーアル茶市場では約150億元が一瞬で蒸発したと予想される。

「下落は続くだろう」とプーアル茶の広東転売人である劉亦明(偽名)氏が述べる。「プーアル茶市況が急落した要因は根深く。しかし、指摘したいのは、資本市場の価格操作へのリスク対策が不足している中国茶市場が、香港や台湾のマーケットメイカーたちによって価格操作されたことだ。マーケットメイカーたちは買いだめしていたプーアル茶をここ2カ月に高価格で販売した。価格下落に歯止めを掛けないと、国内市場も2001年の台湾プーアル茶市場と同じく崩壊する可能性が高い」と語る。

近年、プーアル茶の価格は20−30%上昇してきていた。しかし、昨年末から国内株式市場で株価が急騰するように、プーアル茶の価格も急上昇した。華僑茶業発展研究基金会の劉崇礼副会長は「確かに投機的売買を受けて価格が急騰した」と話す。香港や台湾の茶商が価格吊り上げをしたという。
劉亦明氏によると、台湾のプーアル茶市場の崩壊とともに、数多くのマーケットメイカーがプーアル茶の原産地である雲南省に進出し始めたという。劉氏は、台湾企業に勤務したこともあり、台湾茶市場で投機的売買により約1億NTドルの利益をあげた台湾茶商と知り合った。

中国茶典」によると、プーアル茶は雲南省南部を原産地とする中国茶の一種である。チャコールグレー(暗褐色)に近い独自の色と香りがあり、美容にも良いとされている。保存年数を重ねるほど、味がまろやかになっていくため、「価格操作」に適当な収蔵品として収められていた。加えて、国内の茶生産?流通市場が分散化していたため、価格操作が容易であった。
香港や台湾の茶商は、茶の仕入れを行う従業員を雇用し、雲南の茶生産工場、茶専門店、購買?販売協同組合、茶農家から大量仕入れした。初年度の仕入れ価格は1キロ10元を下回り、低価格でプーアル茶を仕入れることになったという。したがって、3年以内に、雲南の圧倒的多数の熟茶を仕入れた。2006年では、収蔵価値のあるプーアル茶がマーケットメイカーの倉庫に入庫されたという。マーケットメイカーは少なくとも数百トンの在庫品を持つことになった。
同時に、香港?台湾の茶商は、雲南省の茶工場の買収に踏み切った。同省のプーアル茶生産大手の雲南プーアル茶(集団)有限公司は2004年秋季に香港長泰集団に買収された。買収額は2100万元。長泰集団を除いて、香港や台湾の茶商は雲南の茶工場を買収し、株式参加に相次いでいた。
生産、流通に参入後、の歴史や文化をテーマとする広報を本格化させた。広報に2億元を投じたマーケットメイカーもあるという。価格の吊り上げに踏み切ったものである。これをうけ、2005年からプーアル茶の投機的売買がスタートした。老化予防などの効用も無限に膨大し、「保存年数を重ねるほど、味がまろやかになる」といったコンセプトも広がりつつあった。

プーアル茶市場は寄付き値段などの株式用語も導入した。香港?台湾の茶商による投機的売買を受け、プーアル茶の価格が急騰した。香港?台湾の茶商の価格操作モードは株式市場と似通っている。まず、低価格で大量仕入れし、買いだめする。次に、広報を強化し、市場で世論をつくる。最後に、価格の吊り上げをすることで転売人の市場参入を誘導する。価格が最高となったと判断した際には、在庫を売却する。劉亦明氏によると、香港?台湾のマーケットメイカーは今年3月から在庫売却を開始した。
他方で、卸売業者や小売業者はマーケットメイカーが在庫を売却する時に事業へ参入した。広東茶文化促進会の統計データによると、南方茶葉市場や広東芳村茶葉城、山村茶葉城、承鴻茶世界などの茶販売マーケットでは卸売業者や小売業者4000社のうち、99%が2006年にプーアル茶の取引に参入したという。同年の茶の取引額は67億元となり、このうち、プーアル茶の取引額が3分の1を占めたという。
今年3月、広東の茶専売店はプーアル茶の価格を1日に3回引き上げたこともある。価格急騰に伴う利益拡大を図って、卸売業者や小売業者が相次いでプーアル茶事業に乗り出した。しかし、3月からプーアル茶の価格は急落し始めた。
茶販売業者大手は、プーアル茶の先物取引も視野に入れた。今年の初めから将来の一定期日に現物の受け渡しをすることを約定する売買取引を開始した。広州のある茶商は、プーアル茶販売で、「まず、代理店に現物の半分を販売する。価格はコストの1倍となる。半分を出荷することで投資資金を回収することになる。次に、契約により、段階的に残りを渡す。この間に北京の市場に販売する。不足分はその他茶商から調達する。熟茶の一部は高価格で小売販売する」といった販売モードを導入した。これにより、高収益を上げたという。

他方、転売人や取次販売業者は卸売?小売マーケットで茶の仕入れを行い、買いだめによる販売を実施している。生茶の価格を吊り上げるほか、熟茶の買い付けにより市場価格を操作するものである。したがって、市場価格が急騰することになる。さらに、代理店の一部は「略式伝票」でプーアル茶を取次販売業者に売ることもある。
先物取引や投機的売買が活発化した結果、生産能力が8万トンとなっている雲南省では、製品不足となり、資金流動の停滞などの影響を受け、多くの事業者がプーアル茶市場から撤退することになった。
マーケットメイカーが撤退したのを受け、価格が大幅に下落した。06下関甲級沱茶は1キロ400元から同195元に落ち込み、西双版納老班章毛料は同1250元から同800に下落した。

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